<俳句をやめた理由>
2009年12月に抱えた生涯の悲しみが、私を短歌から俳句に向かわせた。
しかしその悲しみを凌駕する巨大な悲しみが、2011年3月にこの国を呑み込んだ。
巨大な悲しみが、私の抱える深い悲しみを僅かでも鎮めたのだとしたら。
私に何が詠めるというのか。
私に詠めるものなんて、何もない。
それがすべてです。
そして今。
4年経って、自分の悲しみを記すことだけは、できるようになった。
あの子の居た場所の空を日々見霽かすことのできたこの住まいを、離れる時が近づいている。
その覚悟のために。
凍 ゆ る む お ま へ を 内 に し ま ひ 終
へ
2014年2月 記