短歌雑誌への投稿について
会誌以外での掲載は、月刊誌の角川『短歌』投稿欄。
投稿した歌はすべて、会誌詠草に提出して採られなかったもの。
それらを推敲して、あるいはそのまま、「公募短歌館」に投稿。
選者は2010年現在、4名の歌人の方々。(2008年は3名でした。)
特選・秀逸・佳作と、入選には3つのランクがあります。
初投稿は2008年8月号分で、投稿4首全滅。
2度目の投稿が10月号で初めて入選の記念すべき1首となり。
以来(手持ちの作品があるときだけですが)、計12回×4首の投稿をしたことになります。
そのうちたったの7首ですが、選に入ったものを記録しておきます。
角川『短歌』 公募短歌館 入選作
2008年 10月号
秋葉四郎 選:秀逸/今野寿美 選:秀逸
水槽の魚とわたしとゆらめいて颱風すさびゆくをみてゐる
2009年 2月号
池田はるみ 選:佳作/春日真木子 選:佳作
すんすんと薄の波にひかり棲み武蔵野線の鉄路冷えゆく
3月号
春日真木子 選:佳作
駅前に花屋ケーキ屋となりあひ硝子の内にハレを商ふ
6月号
香川ヒサ 選:特選
マサイ族の裸足歩行にもとづきて創られし靴履くマサイびと
<選後評>
近年まで裸足で歩いていたマサイ族の裸足歩行を再現させる靴として開発されたのが、
MBT(マサイ・ベアフット・テクノロジー)である。
我々が歩行姿勢を正すために履くのならあたりまえだが、
なんと「マサイびと」そのものが履いて歩いているというのである。
裸足の人々を見たら靴が売れると考えるのが市場経済の論理とはいうものの、
その中に一旦取り込まれるやこんな危うい現象さえ起こるのだ。
9月号
沢口芙美 選:佳作/松平盟子 選:佳作
朝ごとに一日増えたるその一生まるめ籠めけむ祖母はシニョンに
10月号
栗木京子 選:特選/伊藤一彦 選:佳作
日々夫に抱かれて音いろ澄んでゆくギターの胎をのぞくゆふぐれ
<選後評 栗木京子>
楽器を弾くしぐさはどこか愛撫に似ている。
夫の愛用するギターにひそかに羨望をいだく作者。
ギターの空洞の部分を「胎」と捉えたのが新鮮。
さらに、その「胎」を夕暮にそっと覗いてみる結句に不思議な情感が湛えられている。
2010年 1月号
三井ゆき 選:佳作/加藤治郎 選:佳作
併走のつかの間ふたりみつめあふ車上のわれとモノレールのひと
(「短歌人」の三井ゆきさんに採っていただけて、感激でした!)